コラム

事業承継や経営に役立つ
コラムを配信します。

経営コラム

セットアップオフィスとは? 経営者が知っておくべきメリット・デメリットと選び方を解説

今の時代、経営者にとって「スピード」は何よりも代えがたい資産です。新規事業の立ち上げ、人員の急増、あるいはハイブリッドワークへの移行。ビジネスの局面が目まぐるしく変わる中で、オフィスのあり方もまた、大きな転換期を迎えています。

そこで今、賢明な経営者の間で急速に選択肢に上がっているのが「セットアップオフィス」です。名前は聞いたことがあっても、「一般的な賃貸オフィスやシェアオフィスと何が違うのか?」と疑問に思う方も少なくないでしょう。

今回は、これからの企業成長を加速させる戦略としてのセットアップオフィスについて、その実態と経営上のメリットを深く掘り下げていきます。

そもそも「セットアップオフィス」とは何か?

通常の賃貸オフィス(スケルトン物件)は、コンクリート打ちっぱなしの「箱」を借りることから始まります。内装工事の業者を選定し、レイアウトを考え、多額の費用をかけて壁を立て、ようやく仕事ができる状態にする。これがこれまでの常識でした。

一方、セットアップオフィスとは、オーナー側があらかじめ内装工事を施し、受付、会議室、執務スペース、さらにはおしゃれなラウンジまでを完備した状態で貸し出される物件を指します。いわば「家具や内装が既に整った、すぐにでもビジネスを始められるオフィス」のことです。

経営者の頭を悩ませる「時間」と「初期費用」の壁

オフィス移転は、経営者にとって非常に重たいタスクです。物件探しから入居まで半年から一年近くかかることも珍しくありません。しかし、急成長中の企業にとって、半年前の経営状況と今の状況は全く異なります。「内装を考えている間に、必要な席数が足りなくなった」という笑えない話もよく耳にします。

セットアップオフィスが支持される最大の理由は、この「時間」の短縮にあります。内装工事の工程が丸ごとカットされるため、物件を決定してから最短数週間で入居が可能です。この圧倒的なスピード感は、チャンスを逃したくない経営者にとって、何千万というキャッシュ以上に価値があるものでしょう。

また、初期費用の面でも大きなメリットがあります。通常の内装工事には、坪単価で数十万円のコストがかかり、さらに退去時には原状回復として、せっかく作った、壁などの造作物を壊すために多額の費用を支払わなければなりません。セットアップオフィスであれば、これらの内装費用の大部分をオーナーが負担しているため、手元のキャッシュを本業の投資や採用に回すことができるのです。

「採用」と「ブランディング」に効くデザインの力

昨今の採用市場において、オフィスのデザイン性は単なる見栄えの問題ではありません。求職者、特に優秀な若手層や専門職にとって「どのような環境で働くか」は、入社を決める重要なファクターの一つになっています。

自社でゼロからデザイナーを雇い、こだわりの内装を作るのは素晴らしいことですが、それには多大なセンスとコスト、そして経営者のリソースが必要です。セットアップオフィスは、プロのデザイナーが最新のトレンドを取り入れて設計しているため、入居した瞬間から、かっこいいオフィスを持つ企業としてのブランディングが完成します。

来客があった際にも、洗練されたエントランスや会議室は企業の信頼性を高める無言のプレゼンテーションになります。「この会社は勢いがあるな」「センスが良いな」という第一印象は、商談の成否にも少なからず影響を与えるはずです。

あわせて読みたい関連記事

優れたオフィス環境は、そこで働く社員の誇りを醸成します。経営者として部下のモチベーションをどう引き出し、実務に繋げていくか。環境整備と併せて考えたいマネジメントの本質については、こちらで詳しく解説しています。

経営者の部下モチベーション管理|上げ方と実務

柔軟な経営判断を支える「出口戦略」

経営は常に順風満帆とは限りません。さらなる拡張が必要になることもあれば、スリム化を迫られる局面もあるでしょう。従来のオフィスであれば、莫大な費用をかけて作った内装を壊して退去しなければならないため、そのコストが足枷となり、機動的な移転を妨げることがありました。

セットアップオフィスの場合、内装はそのまま残すため、原状回復の範囲が非常に限定的であることが多いのが特徴です。入居しやすく、かつ退去しやすい。この流動性の高さこそが、不確実な時代を生き抜く経営者にとってのセーフティネットとなります。

セットアップオフィス選びで失敗しないために

もちろん、セットアップオフィスなら何でも良いわけではありません。自社の文化に合うデザインか、会議室の数は足りているか、そして何より、社員がそこで働く自分を誇らしく思えるかを基準に選ぶべきです。

これからの経営において、オフィスは単に作業をする場所ではなく、チームのエンゲージメントを高め、企業のビジョンを体現する場所に進化しています。その一歩として、無駄なコストと時間を削ぎ落とし、最短距離で理想の環境を手に入れられるセットアップオフィスは、まさに攻めの経営のための戦略的選択肢と言えるでしょう。

もし、あなたが今、オフィスの拡張や移転を検討しているなら、古い常識にとらわれず、この身軽で強いオフィスのあり方を検討してみてはいかがでしょうか。

 

関連記事

セットアップオフィスを活用して身軽に動くのと同様に、経営全体をいかに効率よく、かつ成果に直結する形に設計するか。価値提案やKPIの考え方など、スモールスタートで成功するためのコツをまとめています。 

少人数・スモールスタートで成果を出す経営のコツ① 〜価値提案・価格・KPIの設計〜

 

 

「4C’s事業承継サービス」とは

4C’sパートナーズが提供する居抜き物件の出店・居抜き売却・M&Aによる事業承継を検討する方に向けて、最適な支援企業をご紹介するサービスです。
複数の支援企業を比較・検討できるため、目的や状況に応じた最適なパートナー選びが可能です。