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M&Aニュース

7月後半のM&A IRニュースまとめ|上場企業の最新買収・出資動向をチェック

本コラムでは、今注目されているM&A(企業買収・資本提携)ニュースを厳選し、上場企業を中心とした最新の動向をお届けします。業界再編の背景や各社の成長戦略を読み解くことで、今後のビジネストレンドを先取りしましょう。

 

ポラリス系PCGVI-1、DDグループにTOB実施 MBOで非公開化へ

プライベート・エクイティファンドのポラリス・キャピタル・グループ傘下のPCGVI-1株式会社は、DDグループ(東証プライム:3073)に対して、普通株式を対象とした公開買付け(TOB)を7月15日から開始した。買付価格は1株1,700円、買付期間は8月27日まで。

 本TOBは、創業者で代表取締役社長の松村厚久氏との合意に基づくマネジメント・バイアウト(MBO)で、松村氏は約28%の株式を応募し、今後も経営に関与。全株取得後、非公開化を目指す。また、対象外とされる優先株は9月に強制償還される予定。

 

クレディセゾン、コンチェルトの再編でアミューズメント事業を分離・譲渡へ

クレディセゾン(東証プライム:8253)は7月18日、連結子会社コンチェルトのアミューズメント事業を除く事業を新設子会社へ分割し、アミューズメント事業を引き継ぐ旧コンチェルトの全株式を現社長・江口隆光氏に譲渡する基本合意書を締結したと発表した。

 株式譲渡は2026年4月1日実行予定。同社は金融を中核としたグローバル展開を推進しており、今回の再編もその一環。今後の業績影響は精査中としている。

 

ザイマックス・リート投資法人、資産運用会社を分割し名鉄グループと連携へ

ザイマックス・リート投資法人は、資産運用を委託しているザイマックス不動産投資顧問から、2025年10月1日付で運用業務を新会社「ザイマックスアセットマネジメント」へ承継する吸収分割を実施すると発表した。同時に、同社の株式の51%を名鉄都市開発が取得し、名鉄グループが新たな共同スポンサーに加わる。

 これにより、名鉄グループの中部圏での物件供給力と財務基盤を活かし、リートの資産規模拡大とポートフォリオ強化を図る。また、新運用会社は商号を「名鉄・ザイマックスアセットマネジメント」に変更予定。将来的にはリートの商号も「セントラル・リート投資法人(仮称)」への変更が検討されている。

 

ラクスル子会社ノバセル、SNS広告に強みのFUSIONを買収 孫会社化へ

ラクスル株式会社(東証プライム:4384)は7月22日、子会社ノバセル株式会社が株式会社FUSIONの全株式を取得し、同社を孫会社化する契約を締結したと発表した。株式譲渡の実行は8月1日を予定。

 FUSIONは、TikTokやInstagramを中心としたSNS動画広告に強みを持つ広告代理店。若年層向けのクリエイティブ制作や広告運用力に定評がある。ラクスルは今回の買収により、ノバセルのサービス強化とグループ全体の企業価値向上を図る方針。

 

AGC、ポリカーボネート事業を住友ベークライトに譲渡へ

AGC株式会社は7月、建材・産業・電子向けのポリカーボネート製品事業を住友ベークライト株式会社に譲渡することで合意したと発表した。譲渡後も製品販売は住友ベークライトが継続し、技術力とノウハウを活かして品質提供を維持する。

 本事業は30年以上の歴史を持ち、ツインカーボ®や光学シートなどで高評価を得ていたが、AGCは中期経営計画に基づく事業ポートフォリオ再編の一環として譲渡を決定。連結業績への影響は軽微としている。

 

rakumo、HRテックのエージェントシェアを子会社化 SaaS拡充へ

rakumo株式会社(東証グロース:4060)は7月22日、人材系SaaSを展開する株式会社エージェントシェアを約6.3億円で子会社化すると発表した。株式譲渡の実行は8月1日を予定。

エージェントシェアは、求人企業と人材紹介会社をつなぐ「AGENT SHARE」や、学生送客支援の「AGENT COLLEGE」などを展開。rakumoはHR領域の製品拡充やノウハウ獲得を通じ、既存の採用支援サービス「aloop」との相乗効果も見込む。