6月前半のM&A IRニュースまとめ|上場企業の最新買収・出資動向をチェック
本コラムでは、今注目されているM&A(企業買収・資本提携)ニュースを厳選し、上場企業を中心とした最新の動向をお届けします。業界再編の背景や各社の成長戦略を読み解くことで、今後のビジネストレンドを先取りしましょう。
ABCマート、韓国のシューズショップ「FOLDER」を事業譲受|イーランド社から27店舗を取得
株式会社エービーシー・マート(東証プライム)は2026年6月1日、韓国子会社を通じて、現地の有力企業イーランドワールドからシューズセレクトショップ「FOLDER」事業を譲り受けると発表しました。本件は、すでに韓国の公正取引委員会から正式な承認を得ています。
「FOLDER」はグローバルブランドを中心とした商品構成で、韓国国内で高い支持を得ている人気ショップです。今回の譲受対象には、27店舗の店舗資産や商標権、オンラインサイト運営権のほか、従業員68名の雇用引継ぎが含まれます。取得金額は僅少として非公表ですが、自己資金での現金決済を予定しています。 エービーシー・マートは両社のノウハウとインフラを融合させることで、韓国市場におけるグループの存在感をさらに高める狙いです。本件による中長期的な事業拡大が期待されており、2027年2月期の連結業績への影響については現在精査中としています。
三菱総合研究所、未来共創イニシアティブ(ICF)をプラチナ構想ネットワークへ譲渡・業務提携
株式会社三菱総合研究所(東証プライム)は2026年6月1日、同社が主催および運営する「未来共創イニシアティブ(ICF)」の事業を一般社団法人プラチナ構想ネットワーク(PNW)へ譲渡し、あわせて両者間で業務提携契約を締結したことを発表しました。両団体が一体的な推進体制を構築することで、社会課題の解決に向けた社会実装の取り組みを加速させ、新たな市場の創出と持続的な社会価値の向上を目指すとしています。
ICFは、産官学やスタートアップなど600を超える組織が参画する共創プラットフォームとして事業推進を支援してきました。一方のPNWは、企業経営層や地方自治体の首長など約500団体を擁し、社会課題解決と新たな産業創出に取り組んできました。スタートアップとの連携によるイノベーション活動に特色を持つICFと、産業イニシアティブ活動に強みを持つPNWは高い相互補完関係にあります。今回の譲渡および提携によって合算で1000団体を超えるネットワークが誕生することになり、コミュニティ活動の幅が飛躍的に広がることが期待されています。
綿半ホールディングス、南信州の観光事業へ本格参入|新会社設立で「ホテル恵山」「龍峡亭」を取得
綿半ホールディングス株式会社(東証プライム)は2026年6月1日、南信州エリアの地域活性化に向けた観光事業への本格参入を発表しました。同日付で100%出資の新会社「株式会社綿半リゾート」を長野県阿智村に設立し、有限会社ホテル恵山から「昼神温泉 ユルイの宿 恵山」を会社分割により取得しました。また、これに先立つ同年5月1日付で天龍峡温泉の「秘境のおやど 龍峡亭」を運営する株式会社龍峡亭の全株式も取得しており、両施設を綿半リゾートに統合して運営する方針です。
取得した両施設は、良質な温泉や豊かな自然、地産食材を活かした宿泊体験を通じて、南信州エリアの観光振興において重要な役割を担ってきました。現在休館中である龍峡亭については、今後の施設改修や運営体制の整備を進め、来春の営業再開を目指すとしています。長野県飯田市を創業の地とする綿半グループは、近年の観光市場の変動等によって支援が必要となっている地域の観光基盤を維持・強化するため、今回の事業承継を決断しました。
同社は今後の展開として、将来的なリニア中央新幹線の開通やインバウンド需要の拡大による交流人口の増加を見据えています。自治体や地域の事業者との連携を深め、南信州ならではの自然や食文化といった観光資源を活用して滞在価値の向上を図り、地方創生と地域価値の向上に貢献していく考えです。
エムスリー、医療・介護ソフト開発の「ワイズマン」を完全子会社化|介護現場のDXを強力推進
エムスリー株式会社(東証プライム)は2026年6月5日、医療・介護・福祉分野向けソフトウェア開発を手掛ける株式会社ワイズマン(岩手県盛岡市)の発行済み株式をすべて取得し、連結子会社(完全子会社)化すると発表しました。同日付で株式譲渡契約を締結しており、2026年7月1日に株式譲渡が実行される予定です。
ワイズマンは1983年の設立以来、医療・介護・福祉に特化したシステム開発のパイオニアとして、企画から販売、サポートまでをワンストップで展開してきました。一方のエムスリーは、国内の医師の9割以上が登録する医療従事者専門サイト「m3.com」を運営し、医療現場のDX支援等を推進しています。今回の買収により、ワイズマンが長年培ってきた強固な顧客基盤や介護領域での深い知見と、エムスリーのテクノロジーを融合させる方針です。これにより、介護現場の生産性改善やサービスの質向上を図るとともに、医療機関と介護施設をシームレスにつなぐ連携基盤の構築を目指します。
対象株式は、ワイズマンの代表取締役社長である南舘聡一郎氏、および同氏が代表を務める資産管理会社から取得します。取得価額は相手先の意向により非公表とされていますが、第三者機関による事業価値評価をもとに決定されました。
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