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3月前半のM&A IRニュースまとめ|上場企業の最新買収・出資動向をチェック

本コラムでは、今注目されているM&A(企業買収・資本提携)ニュースを厳選し、上場企業を中心とした最新の動向をお届けします。業界再編の背景や各社の成長戦略を読み解くことで、今後のビジネストレンドを先取りしましょう。

 

シダー、名古屋の介護会社を買収 東海エリアのドミナント戦略を加速

福岡県北九州市に本拠を置く介護大手の株式会社シダー(東証スタンダード:2435)は2026年3月5日、名古屋市内で介護付有料老人ホームなどを展開する株式会社ダブルエイチオーの全株式を取得し、完全子会社化することを決定した。取得価額はアドバイザリー費用等を含めて約9億9,500万円にのぼり、同年4月1日の譲渡実行を予定している。

買収対象となるダブルエイチオー社は、名古屋市北区を中心に介護付有料老人ホーム2施設と訪問看護事業所を運営している。シダーは今回の買収を通じて、重点地域の一つである東海エリアにおける事業基盤を一段と強固なものにする構えだ。同社が長年培ってきた施設運営のノウハウや経営資源を注入することで、対象会社の運営効率を改善し、サービスの質を向上させることが可能であると判断した。

特筆すべきは、ダブルエイチオー社の業績回復に向けた再生スキームとしての側面だ。同社は直近の2025年9月期まで3期連続で営業赤字を計上しているが、シダーはこれを「中長期的な成長に資する投資」と位置づけている。第三者機関による厳正な株価算定に基づき、約10億円の投資を投じてグループに迎え入れることで、地域密着型のドミナント戦略をさらに推進する狙いがある。

  

ワイズテーブル、老舗「山の上ホテル」を子会社化 高級天ぷら業態で和食事業を強化

レストラン事業を展開する株式会社ワイズテーブルコーポレーション(東証スタンダード:2798)は2026年3月9日、高級天ぷら店「てんぷら山の上」などを運営する株式会社山の上ホテルの全株式を取得し、子会社化することを発表した。取得価額は概算費用を含め約3億400万円で、株式譲渡の実行は同年3月31日を予定している。

今回の買収の背景には、拡大を続けるインバウンド需要と、国内外で成長ポテンシャルが高いとされる「ハイエンド×和食」分野の強化がある。山の上ホテルが展開する「てんぷら山の上」は、伝統と歴史を誇る高級ブランドとして広く認知されており、富裕層や訪日外国人客をターゲットとするワイズテーブルの既存業態とも高い親和性を持つ。

ワイズテーブルは、対象会社が持つ強力なブランド力とコンテンツに、自社の店舗展開・運営ノウハウを掛け合わせることで、和食事業のポートフォリオ拡大と企業価値の向上を図る構えだ。今後は同ブランドの出店拡大も視野に入れ、さらなる成長を目指す。

  

飯田グループ、米ユタ州の住宅ビルダー「Wright Homes」を買収 海外戦略を加速

飯田グループホールディングス(東証プライム:3291)は2026年3月10日、連結子会社の一建設を通じて、米国ユタ州を拠点とする住宅ビルダー「Wright Homes(ライトホームズ)グループ」の事業会社3社を買収し、子会社化すると発表した。同日開催の取締役会において、一建設が設立した現地法人「Hajime AMERICA Inc.」による持分取得を決議した。

今回の買収は、国内の少子高齢化に伴う住宅市場の成熟を見据え、同社が成長戦略の柱に据える海外事業の拡大を目的としている。舞台となるユタ州は、全米トップクラスの人口増加率と堅調な雇用環境を背景に、極めて安定した住宅需要が見込まれる地域だ。特にライトホームズグループが基盤を置くユタ湖北部は、主要都市を結ぶ幹線道路に近く、通勤の利便性から一次取得者や55歳以上のシニア層による需要が集中している。

買収対象となるライトホームズグループは、土地取得力を強みに戸建住宅の開発・販売を手がけており、2025年12月期の実績は売上高が約7,100万ドル(約110億円)、営業利益は約1,800万ドル(約28億円)と、高い収益性を誇る。持分取得価額は3社合計で約6,200万ドル(約96.1億円)となる見込みで、飯田グループは今回の取得を足掛かりに、同州内での事業基盤を確立するとともに、他エリアへの進出や周辺事業への展開も視野に入れている。

 

Enjin、孫会社化を通じて観光事業を強化 大阪の「ホタルス」を買収

PR支援などを手がける株式会社Enjin(東証グロース:7370)は2026年3月11日、連結子会社の株式会社En Journey(旧・田辺観光バス)を通じて、訪日観光事業を展開する株式会社ホタルス(大阪市)の株式51%を取得し、孫会社化することを発表した。

今回の買収の狙いは、拡大するインバウンド需要や、大阪IR(統合型リゾート)の開業を控えた関西圏での観光ニーズの取り込みだ。Enjinグループが持つ約2,500社の顧客基盤や観光バス事業のインフラに、ホタルスが有する企画力やネットワークを融合。富裕層向けの高品質な体験型ツアーなど、単なる移動手段に留まらない高付加価値なコンテンツの提供を目指す。

対象となるホタルスは2020年設立のベンチャーながら、2025年6月期には売上高約4億9,100万円を記録するなど急成長を遂げている。Enjinは、事業規模の拡大により、業界課題であるドライバー不足への対応や運行管理の効率化も図る考えだ。

 

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