その仲介会社、本当に大丈夫? M&A支援機関登録制度を起点に選ぶM&Aパートナー

「そろそろ事業承継を考えたい」「小さな会社を買って事業を広げたい」。
こうしてM&A仲介会社を調べ始めると、正直どこも同じように見えてしまいます。ホームページにはそれらしい言葉が並び、実績も“〇〇件以上”と書いてある——では、経営者はどこからチェックを始めればよいのでしょうか。
ひとつの目安になるのが、中小企業庁の「M&A支援機関登録制度」に登録されているかどうかです。ここをスタート地点にしつつ、最後はセカンドオピニオンも踏まえて絞り込む。この流れを押さえておくと、大きく道を踏み外しにくくなります。
1.「M&A支援機関登録制度」とは
M&A支援機関登録制度は、中小企業庁がつくった「一定のルールを守ると約束した仲介会社・FAを登録する仕組み」です。
登録している会社は、ざっくりいうと次のようなことを守ることを宣言しています。
-
手数料体系をわかりやすく開示する
-
利益相反(売り手と買い手の両方から報酬をもらう仲介など)について、きちんと説明する
-
専任期間やテール条項(成約後も一定期間、成功報酬を請求できる条項)を、過度に経営者に不利な内容にしない
つまり、「最低限ここまでは守ります」と国に約束している事業者かどうかが、登録の有無で分かります。
もちろん、「登録されていれば絶対に安心」「登録がなければ必ず危険」という単純な話ではありません。それでも、登録されていない会社を、わざわざ最初の候補に入れる必要はあまりないというのが、実務の感覚に近いところです。
2.まずは「登録されている会社の中から」候補をピックアップ
実際に仲介会社を探すときは、次のようなステップをイメージすると分かりやすいと思います。
1.登録制度の公表リストから、地域・案件規模が合う会社を探す
2.ホームページや資料で、得意分野(業種・規模・エリア)や手数料の目安を確認する
3.そのうち2〜3社と面談して、説明の仕方や相性を比べる
この時点で、「登録された会社かどうか」はふるいにかける最初の条件として扱うのが合理的です。
「登録されていないけれど、どうしてもこの会社がいい理由」がはっきりある場合だけ、例外的に候補に含めるくらいで十分でしょう。
3.登録=正解ではない。「この会社で進めて大丈夫か」を見極める
注意したいのは、登録はあくまで“スタートライン”に過ぎないということです。
同じ登録事業者でも、担当者の経験値や案件の進め方、コミュニケーションの質には大きな差があります。
面談の場では、次のような点をよく観察してみてください。
-
メリットだけでなく、デメリットやリスクもきちんと話してくれるか
-
「早く専任契約を」と急かさず、検討の時間を尊重してくれるか
-
手数料の計算方法やテール条項を、素人にも分かる言葉で説明してくれるか
-
「御社の規模・業種であれば売却可能性はこのくらい」「買収側のニーズはこのあたり」といった、具体的で根拠のあるコメントが出てくるか
ここで違和感がある場合、「登録されているから大丈夫だろう」と目をつぶるのではなく、一度立ち止まる勇気を持った方が、後悔は少なくなります。
4.セカンドオピニオンは“保険”ではなく“あたり前”
M&Aは、経営者人生で何度も経験するテーマではありません。だからこそ、セカンドオピニオン(第二の専門家の意見)を取ることを前提に動いた方が良いと考えた方が自然です。
たとえば、次のような使い方があります。
-
ある仲介会社から「この価格帯なら十分に売れます」と言われた
→ 別の登録支援機関に「この条件は妥当か」「他の選択肢はないか」を聞いてみる -
契約書にテール条項が詳しく書かれている
→ 顧問税理士・弁護士、もしくは別のFAに内容を見てもらい、リスクを確認する -
買収側として提示された条件が「かなりお得」に見える
→ 第三者のFAに、「見落としている落とし穴はないか」をチェックしてもらう
医療の世界では、重い手術の前にセカンドオピニオンをとるのは当たり前になりつつあります。
M&Aも同じで、金額も影響も大きい決断ほど、一社だけの説明を鵜呑みにしないことが大切です。
特に、最初に相談した仲介会社が
-
「他社に相談すると話がこじれますよ」
-
「うちは登録事業者なので、他を見る必要はありません」
といった言い方をする場合は、むしろ注意信号だと捉えてください。本当に経営者の立場に立つアドバイザーであれば、セカンドオピニオンを取ること自体を止める理由はほとんどないはずです。
5.まとめ:登録制度+セカンドオピニオンで「不要な後悔」を減らす
M&A仲介会社選びで、すべてのリスクをゼロにすることはできません。
それでも、次の二つを押さえておけば、後から「もっと早く知っていれば」と後悔する場面は確実に減らせます。
1.M&A支援機関登録制度に登録された会社の中から、まず候補を選ぶこと
2.一社の話だけで決めず、セカンドオピニオンを前提に比較・検証すること
「その仲介会社、本当に大丈夫?」と自分に問いかけたとき、登録の有無と、セカンドオピニオンの有無——この二つをセットで見直してみてください。
4C’s事業承継サービスでは、各業界専門のM&A仲介会社様・金融機関様と連携し、お客様のご希望条件に合致する情報を横断的に収集・精査のうえご提案いたします。条件をご登録いただくだけで、合致度の高い買収先・売却先候補を随時ご案内できるほか、各仲介会社の手数料水準や得意業界も踏まえて、お客様にマッチしたM&A仲介会社をご紹介します。理想の事業承継を、安心かつスムーズに進めていただくための伴走支援を行っています。
「4C’s事業承継サービス」とは
4C’sパートナーズが提供する居抜き物件の出店・居抜き売却・M&Aによる事業承継を検討する方に向けて、最適な支援企業をご紹介するサービスです。
複数の支援企業を比較・検討できるため、目的や状況に応じた最適なパートナー選びが可能です。
