9月後半のM&A IRニュースまとめ|上場企業の最新買収・出資動向をチェック
本コラムでは、今注目されているM&A(企業買収・資本提携)ニュースを厳選し、上場企業を中心とした最新の動向をお届けします。業界再編の背景や各社の成長戦略を読み解くことで、今後のビジネストレンドを先取りしましょう。
串カツ田中HD、飲食チェーン「ピソラ」を完全子会社化 借入+第三者割当で約95億円を調達
串カツ田中ホールディングス(東証スタンダード:3547)は、イタリアンチェーンの株式会社ピソラ全株式を取得し、12月1日付で完全子会社化。株式8,804百万円に加え新株予約権696百万円、合計9,500百万円を投じる。資金は一旦借入で手当てし、その後の第三者割当増資(計1,633,119株、約40.1億円)で一部を返済。発行後の希薄化は17.32%。ピソラは郊外ロードサイド中心に約60店を展開する飲食チェーンで、経営陣は子会社化後も参画。串カツ田中HDは飲食事業の多角化とシナジー創出を狙う。第三者割当後、貫啓二会長は議決権比率10.42%の主要株主となる。
AB&Company、美容室SENSEをM&Aで子会社化 全国1000店舗超の業容拡大へ
AB&Company(東証グロース:9251)は、美容室「Agu.」やメンズサロン「FADE&LINE」などを展開する国内最大級の美容室グループ。同社は17日、美容室チェーンの株式会社SENSE(東京都千代田区)の全株式を取得し、連結子会社化すると発表した。株式譲渡の実行日は9月26日を予定している。
SENSEは、美容師とのレベニューシェア型サロンを中心に全国89店舗を展開。2024年11月期には売上高約19.6億円、営業利益約1.2億円、純資産3.8億円を計上した。レベニューシェア制度によって、初期投資を抑えつつ黒字経営を維持し、スピード感ある出店を続けている点が特徴だ。
AB&Companyは2009年の創業以来、美容師の働き方改革を掲げ、全国1000店舗超の美容室を展開してきた。今回のSENSE子会社化は、美容室業界でのM&A戦略の一環であり、外部ブランドとの資本提携を強化する狙いがある。今後も既存の店舗運営ノウハウを活かし、グループ全体の企業価値向上と全国的な業容拡大を進める方針だ。
マツキヨココカラ&カンパニー、関西でドラッグストア・調剤薬局7店舗を事業譲受 M&Aで地域シェア拡大へ
マツキヨココカラ&カンパニー(東証プライム:3088)は22日、子会社のココカラファインヘルスケアを通じて、シグマ薬品(大阪府八尾市)が運営するドラッグストア・調剤薬局事業の一部(大阪府・奈良県の7店舗)を譲り受けると発表した。グループ競争力の強化とドミナント戦略の一環として重点エリアである関西でのシェア拡大を狙うもので、事業譲渡の実行日は2026年1月5日を予定している。
同社はM&Aを通じて中核事業であるドラッグストア事業・調剤薬局事業の拡充を進めており、今回の取引もその一環。業績への影響は軽微としている。
ダブルツリー、岡山の温浴・宿泊施設運営「山本幸」を子会社化 債権も譲受(2025年9月22日)
ダブルツリー(TOKYO PRO Market:305A)は22日、岡山県倉敷市で温浴施設やホテル、レストランを運営する山本幸株式会社の全株式(4万株)を取得し、2026年1月5日付で子会社化すると発表した。取得価額は約4億円。あわせて、おかやま活性化ファンド2号が山本幸に有する貸付債権(約5.3億円)も譲り受ける。
山本幸は1954年設立の老舗で、2025年3月期は売上高約6.0億円、純利益約2,600万円を計上。ダブルツリーは「温浴施設と宿泊機能を核に観光と健康を融合させた新事業を創出し、地域経済に貢献する」としている。
同社は自動車販売・整備を中心にフィットネスや飲食も展開しており、観光事業強化と事業多角化の一環として本件を実施。連結業績への影響は現在精査中だという。
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