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ノウハウ(店舗)

退去時に強い味方!原状回復が不要となる「居抜き売却」の仕組みと活用法

居抜き売却とは?基本と原状回復費用カットの仕組み

「居抜き売却」は、飲食店などが造作設備(厨房機器や内装、什器など)をそのまま引き継いで、次の借り手へそのまま引き継げる売却方法です。
通常、退去時の原状回復費用が不要になり、スケルトン状態に戻す必要がなくなることが最大の特徴です。
また、造作譲渡契約で設備ごと引き渡すことで、「原状回復義務を回避」できる場合があります。ただし、これは貸主(オーナー)の承諾が前提です。

 

なぜ原状回復工事を省ける?

原状回復義務は、借主が賃借開始時の状態に戻すための工事で、通常、賃貸契約書に定められており、テナントはその義務を履行する必要があります。

ただし、「造作譲渡によりそのまま引き渡す」方法を選べば、貸主との合意のもとこの義務が免除され、原状回復の手間も費用も省けます。その際は 家具・厨房機器・内装などをまとめて譲渡契約に含めるという点が重要です。

 

居抜き売却の流れと退去コストを抑えるステップ

1.契約書の特約欄を精査

原状回復義務やスケルトン返還の条文を確認し、どのような条件が記されているか確認します。

 

2.居抜き物件専門業者に相談

造作設備の資産価値を査定してもらい、貸主との調整や買主探しを依頼します。複数社で相見積もりを取ることで、より有利な条件交渉が可能になります。

 

3.貸主に居抜きの提案を行う

 「原状回復費用を節約できる」「空室期間を短縮できる」といったメリットを具体的に説明し、貸主から合意を得ます。

 

4.造作譲渡契約の締結

引き渡す設備や家具の範囲を明確に定め、双方が納得した内容で契約します。所有権や動作状況の確認も忘れずに。

 

5.閉店・引き渡し

造作譲渡後、退去手続きを進め、原状回復工事を省略して退去することができます。

 

 

 

まとめ:退去時の費用負担をゼロにするスマート戦略

・早めに契約書と特約を確認し、貸主との相談準備を進めましょう。
・専門業者との連携が鍵:査定+交渉+買主紹介までワンストップで行うことで、手間とリスクを抑えられます。
・造作譲渡は交渉が肝心:貸主の承諾を得ることで、原状回復費用を省きながら譲渡収益を狙える可能性があります。 

契約上の義務を把握し、貸主との調整を丁寧に行えば、居抜き売却は退去時の負担削減+収益化の両輪を叶える強力な選択肢になります。