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ノウハウ(店舗)

【飲食店開業】家賃の安さに惑わされるな!失敗しない「物件比較表」の作り方

飲食店を開業しようと思い立ち、不動産情報サイトで物件探しをしている時は、期待に胸が膨らむ瞬間かと思います。
「このカウンターならお客様と楽しく話せそう」
「ここに看板を置けば絶対に目立つはず」
など、夢がどんどん広がっていくものです。

しかし、ここで少し冷静になってみてください。飲食店の物件選びにおいて最も避けるべき失敗、それは「毎月の家賃(と坪単価)」だけで比較してしまうことです。

実のところ、飲食店の物件探しにおいて「家賃が安い=お得」とは限りません。一見安く見える物件でも、いざフタを開けてみたら想定外の初期費用がかかった……というケースは日常茶飯事です。そこで今回は、表面的な条件や「なんとなくの直感」に流されず、冷静に優良物件を見極めるための実践的なノウハウ、「総支払額ベースの物件比較表」の作り方を解説します。

なぜ「家賃」だけで選ぶと失敗しやすいのか?

例えば
A物件は家賃20万円(コンクリートむき出しのスケルトン)
B物件は家賃25万円(前の店舗の設備が残る居抜き)
だったとします。

毎月の固定費だけを見れば「絶対にA物件!」と選びたくなりますよね。

でも、少し立ち止まって計算してみてください。A物件は水回りから空調、厨房設備まで一から作らなければならず、内装工事費が1,000万円かかるかもしれません。一方のB物件は、前のオーナーが使っていた厨房機器や綺麗なトイレが残っており、簡単な壁紙の張り替えと看板の付け替えだけで、内装費が200万円で済むとしたらどうでしょうか。

この初期費用の差額800万円を、毎月5万円の家賃の差で取り戻すには、なんと160ヶ月(約13年)もかかります。飲食店の生存競争が激しい中で、13年先の回収を前提にするのはリスクが高すぎます。

だからこそ、「毎月の家賃」という点の情報だけでなく、「総支払額」という面で比較する必要があるのです。

【関連記事】そもそも物件探しの基本手順をおさらいしたい方へ

比較検討の前に、まずは「ネットに出回らない優良物件の探し方」や「契約までの全体像」を把握しておくことも重要です。こちらのガイドもぜひ参考にしてください。

飲食店の物件探し完全ガイド|居抜き・賃貸・契約まで「最短で失敗しない」探し方

物件比較表に絶対入れるべき「4つの項目」

では、具体的にどうやって比較表を作るのか。複雑なエクセル関数などは不要です。スプレッドシートや、手書きのノートでも構いません。縦に「比較したい物件名」、横に「以下の項目」を並べてみてください。

1. 契約にかかる初期費用(保証金・礼金・仲介手数料など)
家賃の何ヶ月分か。特に飲食店の場合、保証金(敷金)は6ヶ月〜10ヶ月と物件によってかなりバラつきがあります。また、解約時に返ってこない「償却(引き)◯ヶ月」という隠れコストも忘れずにメモしましょう。

2. 内装・設備工事費用の「概算」
ここが最も金額がブレるポイントです。内装業者にざっくり見積もりを出してもらうのがベストですが、難しければ「居抜き度合い」を金額換算して比較します。「厨房設備」「空調」「トイレ」がそのまま使える状態で残っているなら、それだけで数百万円の価値があります。

3. 3年分(36ヶ月)の家賃+共益費
初期費用だけでなく、ランニングコストも「3年間の総額」として計算します。なぜ3年かというと、飲食店が初期投資を回収するひとつの目安となる期間だからです。

4. その他の見えないコスト
商店街の会費、ゴミ処理の指定業者の有無、看板の設置料など、毎月地味に削られるお金もヒアリングして表に組み込みます。

比較表を「総額」でシミュレーションしてみる

上記の項目を埋めたら、「契約初期費用 + 内装工事費 +(家賃・共益費など × 36ヶ月)」を計算し、右端に「3年間トータルの総支払額」を出してみてください。

これが、あなたがその物件で勝負するためにかかる「本当のコスト」です。

家賃が高くて敬遠していた物件が、実は保証金が安く、ダクトもそのまま使えて総支払額では圧倒的に安かった、という「隠れた優良物件」に変わる瞬間もあることでしょう。逆に、家賃が安くて飛びついた物件が、総額で見ると想定外のコストがかかる物件だったと気づくこともあります。

まとめ:比較表は「安さ」ではなく「生存確率」を測るツール

物件探しをしていると、どうしても「ここに一目惚れした!」と感情が先行してしまいます。経営者としてその熱量や直感も大事ですが、資金が尽きてしまえば夢の店舗も数ヶ月で閉店に追い込まれてしまいます。

物件比較表は、高ぶった感情にブレーキをかけ、経営者としての冷静な判断を取り戻すための最強のツールです。「総支払額」という嘘をつかない数字で複数の物件を並べたとき、初めて本当に勝てる物件が見えてきます。

物件比較表を作る最大の目的は、ただ安い物件を探すことではありません。限られた開業資金の中で、いかに手元にキャッシュを残し、お店の「生存確率」を上げるかをシミュレーションすることです。

これから飲食店を開業する皆さんは、内見に行くたびにこの「総支払額での比較表」をアップデートしてみてください。数字で裏付けられた物件選びができれば、あなたの飲食店の成功率は大きく高まるはずです。

 

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