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リースバックは「攻め」の資産戦略。経営者が自宅をあえて借り物にする本当の理由

不動産を「持っている」ことがステータスだった時代は、とうの昔に終わりました。今の時代、真に賢い資産家が恐れるのは、現金化できない「重い資産」に足を絡め取られ、チャンスを逃すことです。

資産家が密かに活用しているのが「リースバック」。自宅や自社ビルを売却して現金化しつつ、そのまま賃貸として住み(使い)続ける。この仕組みを、彼らは「困った時の最終手段」としてではなく、「死んでいる資本を蘇らせる錬金術」として活用しています。

自宅に眠る「死に金」を、明日の「稼ぐ金」に変える

経営者にとって、最ももったいないのは「何も生み出さない資産」を抱え続けることです。 例えば、時価1億円の自宅にローンなしで住んでいるとしましょう。見た目は優雅ですが、その1億円は、ただそこに「置いてあるだけ」の死に金です。

もしリースバックでその1億円を現金化し、利回り10%の事業投資や株式運用に回せば、年間1,000万円の利益を生みます。そこから家賃を払ったとしても、手元に残るキャッシュは格段に増えるでしょう。

「所有」という見栄を捨てて、資産を「静止した箱」から「循環する資本」へ組み替える。このスピード感こそが、富裕層がさらに富を膨らませるための定石です。彼らにとって、家は「住む場所」である前に「いつでも動かせるカード」なのです。

 

事業承継と相続の「泥沼」を、キャッシュでスマートに解決する

不動産を抱えたままの経営者が、最期に直面するのが「相続」という名の難問です。 自社ビルや自宅という「分けられない資産」は、兄弟や親族間での揉め事の種にしかなりません。時価評価額は高くても、それを分割するためには誰かがその建物を売るか、多額の現金を工面する必要があります。

リースバックは次の点において、極めて知的な解決策となります。

・生前に現金化できる: 建物という「現物」を「キャッシュ」に変えておくことで、分割が容易になります。

・住環境を変える必要がない: 現金化した後も、亡くなるまで(あるいは事業が安定するまで)同じ場所に居続けることができます。

「子供たちに家を残してやりたい」という親心は立派ですが、現代において、管理の面倒な古い不動産を押し付けられるのは、子供にとって必ずしも幸福ではありません。「争いの種になる不動産」ではなく「自由に動かせる現金」を、しかし住まいの安定は守りながら渡す。 これが、一歩先を行く経営者のスマートな幕引きです。

 

「近所の目」と「デジタルタトゥー」を回避する戦略的撤退

不動産を普通に売りに出すと、必ず「売却活動」が世間に晒されます。ポータルサイトに写真が載り、近所に「あの家、売りに出てるわよ」と噂され、内見のたびに他人が土足同然で上がり込んでくる。経営者や地域の有力者にとって、これは時に屈辱であり、信用の毀損にも繋がりかねません。

リースバックなら、「売ったことが誰にもバレない」という究極のプライバシーが手に入ります。

広告を出す必要も、看板を立てる必要もありません。買い手(不動産会社)と直接契約を済ませれば、翌日からあなたは「オーナー」から「スマートな賃貸居住者」に切り替わるだけです。生活環境も、住所も変わりません。 「情報の出し方」をコントロールすることの重要性は、以前のコラムでも触れた通りですが、リースバックはその極致とも言える手法なのです。

参考記事:「仲介・買取・非公開売却:資産を削る「情報の垂れ流し」を卒業せよ。富裕層が選ぶ情報の出し方」

 

リースバックは「持たざる者」への第一歩ではない

リースバックを選択することは、決して「敗北」ではありません。むしろ、「所有」というコストとリスクから解放され、「自由なキャッシュ」という最強の武器を手に入れる、きわめて攻めの経営判断です。

「いつか売る時」を待つのではなく、「今、最も価値がある時」に現金化し、人生や事業の次の一手に投資する。その間も、住み慣れた環境を1ミリも変える必要はない。これほど合理的な取引が他にあるでしょうか。

もし、あなたが「先祖代々の土地だから」「買った家だから」という感情論で資産を塩漬けにしているのなら、一度その「所有の呪縛」を疑ってみてください。その建物の下に眠っているのは、あなたの未来を切り拓くための「莫大な埋蔵金」かもしれません。

 

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