2月前半のM&A IRニュースまとめ|上場企業の最新買収・出資動向をチェック
本コラムでは、今注目されているM&A(企業買収・資本提携)ニュースを厳選し、上場企業を中心とした最新の動向をお届けします。業界再編の背景や各社の成長戦略を読み解くことで、今後のビジネストレンドを先取りしましょう。
ソーバル、ソフト開発の理創を完全子会社化。WEB・受託領域の強化狙う
ソーバル株式会社(東証スタンダード:2186)は、ソフトウェア開発を手掛ける株式会社理創を完全子会社化したと発表しました。取得価額は約2億1,600万円で、設立40年を誇る同社のWEBシステム開発力やSES事業の知見を取り込み、グループの技術領域を大幅に拡大するのが狙いです。本買収により損益計算書は2027年2月期第1四半期から連結される予定で、さらなる企業価値の最大化を目指します。
ブラザー工業、MUTOHをTOBで完全子会社化。産業用印刷の成長加速狙う
ブラザー工業株式会社(東証プライム・名証プレミア:6448)は、大判インクジェットプリンター大手のMUTOHホールディングス株式会社を株式公開買い付け(TOB)により完全子会社化すると発表しました。買付価格は1株7,626円、買付総額は約350億円を見込んでおり、公表前日の終値に対し157.46%という極めて高いプレミアムを付与しています。ブラザーは成長戦略「CS B2027」において産業用印刷を注力領域としており、MUTOHの持つ技術力や世界的な製品シェアを統合することで、インクジェット技術の強化とグローバル市場での非連続な成長を目指します。なお、MUTOH側もこの提案に賛同しており、TOB成立後は上場廃止となる見込みです。
キリンHD、米バーボン「フォアローゼズ」を約1,200億円で譲渡。事業ポートフォリオ再構築へ
キリンホールディングス株式会社(東証プライム:2503)は、米国連結子会社が所有するバーボンウイスキー製造・販売のFour Roses Distillery, LLC(フォアローゼズ社)の全持分を、米大手のE. & J. Gallo Wineryへ譲渡すると発表しました。譲渡価格は目標達成に応じた対価を含め、最大で約1,200億円に上る見通しです。2002年の買収以来、米国市場を中心にグループの企業価値向上に貢献してきた同事業ですが、中長期的な事業ポートフォリオの見直しに基づき、より高い成長が見込める領域へ経営リソースを集中させるため今回の売却を決定しました。譲渡実行は2026年度第2四半期を予定しており、売却益の活用方法については決定次第開示される方針です。
大成建設、豪レンドリース日本法人の通信インフラ事業を譲受。デジタル化需要の取り込み図る
大成建設株式会社(東証プライム:1801)は、レンドリース・ジャパンが運営するテレコム・インフラ事業を譲受すると発表しました。2026年4月1日付で、対象事業を承継した新会社「NeoSphere株式会社」の株式80%を取得する予定です。譲渡対象事業は国内で20万局以上の基地局建設に携わった豊富なプロジェクトマネジメント実績を持ち、大成建設は自社の経営資源と同事業のノウハウを融合させることで、今後拡大が見込まれる社会通信インフラのデジタル化や新たなビジネス領域の開拓を目指します。
デンカ、検査薬大手のカイノスをTOBで子会社化
デンカ株式会社(東証プライム:4061)は、完全子会社のFlowers株式会社を通じて、株式会社カイノス(東証スタンダード:4556)に対し株式公開買い付け(TOB)を開始しました。買付価格は1株2,285円で、筆頭株主の旭化成ファーマとはTOB後の自己株式取得に応じる不応募契約を締結しており、実質的に一般株主への買付価格を最大化するスキームを採用しています。本買収により診断薬事業の競争力を高め、海外販売チャネルの活用や原材料の共同調達によるシナジー創出を狙います。
