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ノウハウ(店舗)

外国人スタッフとつくる飲食店のこれから

近所のお店に入ると、ホールでもキッチンでも、外国人スタッフが当たり前に働いている。ここ数年で、そんな光景がぐっと増えました。「気がついたら、うちの店も日本人より外国人のほうが多いかもしれない」──そんな声も、経営者や店長からよく聞こえてきます。

背景にあるのは、言うまでもなく慢性的な人手不足です。飲食店で外国人スタッフが働いている店は3割以上にのぼるとの調査結果も出ています。外国人スタッフと「どうやって一緒に店を回していくか」は普遍的なテーマになっていると言えるでしょう。

穴埋め要員ではなく、店を支えるメンバーとして見る

外国人スタッフの採用をスタートには「言葉の壁に不安があるものの、とにかくシフトを埋めたい」という背景があることが多くあります。もちろんそれ自体は悪いことではありませんが、そのままの感覚で接していると、言語の面からどうしても“日本人の代わり”という位置づけになりがちです。

しかし、実際に一緒に働いてみると、印象は変わってきます。真面目にコツコツ仕事を覚え、ミスをするとメモをとって次回に生かそうとする。接客が得意なスタッフなら、日本語が完璧でなくても笑顔とジェスチャーでお客様と上手にコミュニケーションを取ってくれる。気づけば、「このスタッフがいないと、もうお店が回らないな」という存在になっていることもよくあります。

「この店を一緒につくっていくメンバー」という視点を持てるかどうか。ここが変わってくると、教育の仕方も、任せる仕事も、自然と変わってきます。

外国人スタッフがいることで、店の“見え方”も変わる

外国人スタッフの存在は、お客様から見た店の印象も少し変えていきます。
インバウンドのお客様が多いエリアであれば、英語や中国語で対応できるスタッフがいるだけで、安心感につながります。日本のお客様にとっても、「海外の人たちが自分の国の料理を一生懸命つくって、運んでくれている」という光景は、どこか嬉しいものです。

また、外国人スタッフが入ると、オペレーションの「曖昧さ」が許されなくなります。今までは雰囲気で伝わっていたルールや段取りを、きちんと言葉や紙に落とさないと伝わらない。結果として、マニュアルが整い、誰が入っても一定のレベルで回る店になっていく。多国籍チームになったことで、逆に組織としての足腰が強くなった、というケースもよくあります。

文化や価値観の違いと、どう付き合うか

もちろん大変な面もあり、宗教や文化、価値観の違いが、シフトの希望や働き方、注意の仕方などに影響することもあります。

たとえば、「どうしてこの時間に休みたいのか」「なぜこの言い方だときつく感じるのか」。日本人同士なら空気でなんとなく伝わることが、まったく伝わらない場面も出てきます。注意したつもりが、「怒られた」「差別された」と受け取られてしまうこともありえます。

ここで大事なのは、「分かってくれない人」とラベルを貼ってしまうのではなく、「何を大事にしているのか」「うちの店ではこう考えている」という話を、少し手間をかけて言語化していくことです。完璧な英語で説明する必要はありません。むしろ、簡単な日本語と紙のメモ、時にはスマホの翻訳アプリも総動員して、少しずつすり合わせていく。その積み重ねが、現場の信頼関係をつくっていきます。

「働きやすさ」を見える形にしていく

外国人スタッフが早期に辞めてしまう店には、いくつか共通点があります。仕事内容がコロコロ変わる、シフトの変更が直前まで分からない、何ができていて何が足りないのか、評価の基準が見えない。こうしたストレスは、日本人スタッフにとっても不満の種ですが、言葉の壁がある外国人にとってはなおさらです。

逆に、うまく定着している店は、「働きやすさ」を見える形で示しています。仕事の手順は、動画や写真付きで共有する。店のルールは、簡単な日本語とイラストで説明しておく。頑張っているポイントはきちんと口に出してほめる。困っている様子があれば「大丈夫?」と声をかける。どれも特別なことではありませんが、こうした小さな配慮が積み重なるかどうかで、「ここで長く働きたい」という気持ちは大きく変わります。

こうした配慮の積み重ねに加え「頑張ったらこういうポジションを任せたい」「このくらいの給与を目指してほしい」といった、将来像を共有することで仲間として先を一緒に見ていることが伝わると、日々のモチベーションもより変わってくるでしょう。

経営テーマとして向き合うかどうか

外国人労働者の受け入れは、現場任せの採用テクニックの話ではなく、飲食店経営そのものに関わるテーマになりつつあります。どんなスタッフ構成で店を運営していくのか、どんな価値観を共有する職場にしたいのか、多国籍チームを誰がどうマネジメントするのか。これらはすべて、経営者が考えるべき問いです。

外国人スタッフの採用は店の在り方を問い直し、働く人とお客様の両方にとって心地よい場所をつくるための、ひとつのきっかけでもあります。そのチャンスを活かせるかどうかは、最終的には「経営としてどこまで本気で向き合うか」にかかっているのだと思います。

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