10月後半のM&A IRニュースまとめ|上場企業の最新買収・出資動向をチェック
本コラムでは、今注目されているM&A(企業買収・資本提携)ニュースを厳選し、上場企業を中心とした最新の動向をお届けします。業界再編の背景や各社の成長戦略を読み解くことで、今後のビジネストレンドを先取りしましょう。
丸全昭和運輸、日東富士運輸を子会社化—製粉物流の共同化で付加価値強化
2025年10月14日—丸全昭和運輸(東証プライム:9068)は、日東富士運輸の66.6%(31,066株)を取得し子会社化すると発表した。契約・取締役会決議は10月14日、株式譲渡実行は10月31日。取得価額は4億3,332万4,101円、アドバイザリー等を含む総額は約4億4,077万円。
日東富士運輸は1970年設立の貨物自動車運送業者で、小麦粉輸送に強み。2025年3月期売上高20.46億円、経常利益0.8億円。10月31日付で「M&Fロジスティクス株式会社」へ商号変更予定。
丸全昭和運輸は、同社のネットワーク取り込みにより製粉業界の共同物流促進と高付加価値サービス提供を狙う。
イオン九州、トキハインダストリーの全株取得へ—大分でドミナント強化
2025年10月21日—イオン九州(東証スタンダード:2653)は、大分県でSM等を展開するトキハインダストリーの全株式(16万4,000株)を取得し、完全子会社化する基本合意を締結した。株式譲渡契約は2025年12月23日締結予定、クロージングは2026年1月末を見込む。取得価額は非開示。
同社は、健康志向・ローカル志向・時短ニーズの高まりを背景に、大分県での強固なドミナント形成と新規顧客獲得を狙う。トキハインダストリーは1970年設立、大分県内23店舗を運営。2024年2月期は売上高316.3億円、営業利益2.16億円。
イオン九州は九州・山口で354店舗(2025年8月末)を展開しており、グループのノウハウ投入で商品・サービスの強化を進める。
鉄人化HD、ヴァンクールプロモーションを子会社化—人材領域でシナジー狙う
2025年10月21日—鉄人化ホールディングス(スタンダード:2404)は、人材派遣・転職支援等を手がける株式会社ヴァンクールプロモーションの株式80%(320株)を取得し、子会社化すると発表した。株式譲渡契約とクロージングは10月31日(予定)。
取得価額は4.8億円、アドバイザリー費用等0.39億円で総額約5.19億円。同社代表の青木隆紀氏は引き続き経営に参画する。カラオケ・飲食など慢性的な人手不足を抱える自社事業との人材面のシナジー創出を見込む。
ヴァンクールプロモーションは2006年設立、携帯電話業界に強み。2024年12月期は売上約15.6億円、営業益約0.76億円、純益約0.51億円と伸長。
L is B、IU BIM STUDIOを完全子会社化—BIM×現場DXで上流の「設計・計画」まで拡張
2025年10月22日—L is B(東証グロース:145A)は、BIMソリューションのIU BIM STUDIOの全株式2,000株(議決権100%)を取得し、子会社化すると発表。契約締結は10月22日、譲渡実行は10月31日(予定)。取得対価は5.5億円、アドバイザリー等3,200万円で総額約5.82億円。2026年10月期の業績連動で最大5,000万円のアーンアウト条項を設ける。
資金はみずほ銀行から5.5億円を調達(TIBOR+スプレッド、元金均等・7年、無担保)。連結は2025年12月期4Qに貸借対照表のみ取り込み、損益は2026年12月期1Qから。のれんは正の発生見込み(金額未確定)。
同社は現場向けSaaS「direct」を核に現場コミュニケーションDXを展開。IU BIM STUDIOのBIMモデル作成・ツール開発・人材育成の強みを取り込み、設計・計画の上流工程まで提供範囲を拡大。クロスセル、AI×業界知見の新ソリューション、人材育成の内製化で競争力強化を狙う。IU BIM STUDIOは2016年設立、2024年10期売上3.94億円・営業益3,500万円と成長基調。業界では公共事業でのBIM/CIM原則適用(2023年度~)を背景に市場拡大が続く。
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