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経営コラム

経営者の部下モチベーション管理|上げ方と実務

 

モチベーションは“気合”では上がりません。目的・裁量・成長を設計し、少数KPI×1on1×即時フィードバックで運用し、日々の達成実感が積み上げていくことが大切です。

 

モチベーションが自走する条件(目的・裁量・成長)

士気が落ちる現場の多くは、「何のために」「どこまで任され」「どれだけ伸びたか」が曖昧です。まず会社の目標を部門KPI、個人の週次アクションへ一直線に落とし込みます。次に、役割と“決めてよい範囲”を明文化し、承認の段差を一段減らす。最後に、前後比較ができる見える化(ダッシュボードや短い振り返り)を置く。この三点がそろうと、余計な掛け声は要りません。

 

マネジメントの要(1on1のやり方とフィードバック)

1on1は「相手のアジェンダ7割」を原則に、型を固定します。最初に体調・仕事量を確認し、うまくいった行動を分解。詰まりは障害要因を特定して取り除き、次回までの小さな実験を一つ決める。フィードバックはSBI(状況・行動・影響)で24〜48時間以内に渡し、良い行動は即時・具体・公開で称えます。これだけで“正しい努力”が増えます。

 

補足Q&A:1on1の頻度は?

A. 基本は隔週30分。繁忙期は月1でも構いませんが、中断しないことが最大の価値です。毎回の型(体調/仕事量→成功行動→詰まり解消→次回の実験)を固定しましょう。

 

評価・報酬の設計(短期と中期のミックス)

評価は成果×行動でシンプルに。成果は職務ごとに3つ以内のKPIに絞り、行動は価値観に紐づく具体例で示します。賞与・インセンティブは個人・チーム・全社のウェイトを混ぜ、遅い指標(利益・売上)だけでなく先行指標(商談数、顧客満足度など)にも小さく連動させると、改善が前倒しになります。説明可能性が担保された制度は、それ自体が動機付けになります。

 

補足Q&A:給与でしか上がらないのでは?

A. 給与はハイジーン要因。不足は強い不満になりますが、過剰に上げても持続しません。公平な説明を土台に、達成体験に連動する可変要素(先行指標も含む短サイクルのインセンティブ)で意欲が回ります。

 

補足Q&A:モチベが上がらない時、まず何から?

A. 週次KPIを3つ以内に絞り、1on1の型と即時・具体・公開の称賛を今週から固定してください。1週間で“手応え”が戻りやすいです。

 

よくある落とし穴

目標を頻繁に変える/声の大きさで評価が揺れる/称賛が抽象的/OKR(目標管理フレームワーク)がノルマ化——いずれも現場のやる気を削ります。変更は四半期に1回まで、評価は“見える数字”と事実ベース、称賛はSBIで具体に。学びのOKRを1つ混ぜ、失敗からの進歩も評価対象にします。

 

まとめ

モチベーションは、目的・裁量・成長の三点がそろえば自ずと立ち上がります。経営者の仕事は、制度で縛ることではなく、余白と達成実感が生まれる設計を先に置くこと。数字で測り、習慣で支え、物語でつなぐ——これが再現性のあるモチベーション・マネジメントです。

 

 

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